不明音・不思議音の調査
■不思議音(不明音)について
建物およびその周辺では、様々な音が発生します。その中で発生原因が判明しないもの、発生原因の
特定が困難なものを日本騒音制御工学会では「不思議音」と定義しています。
また、その発生原因としては、表1のように自然現象、人為的なものと様々考えられますが、比較的にその
発生頻度は少なく、発生時期も一定しないものが多くあります。
これまで交通騒音や鉄道騒音などの一般的な環境騒音についての評価方法としては、その推奨値が
各機関から出ていますが、この「不思議音」については心理的、生理的な影響についての研究があまり
なされていない為に適切な評価方法や基準が今のところ無いのが現状のようです。
表1.不思議音の例
原 因 |
発 生 源 |
騒 音
種 類 |
熱 |
外壁、サッシ、ベランダ、屋根等 |
衝撃的 |
風 |
サッシ、換気口、手すり、鉄塔 |
衝撃的、変動的 |
振動 |
道路、鉄道 |
衝撃的、間欠的 |
設備 |
空調器、換気扇、水道管、ポンプ |
定常的、衝撃的、間欠的 |
雨、水 |
|
間欠的 |
人間 |
扉、いびき、ルームランナー |
変動的、衝撃的 |
家電 |
掃除機、マッサージ機 |
変動的 |
ページトップに戻る
■不思議音(不明音)の調査方法
不思議音に対する研究があまり進んでいないため、現在その調査方法について規格化しているものが
見当たらないことから弊社では次のフローに従い調査を進めています。
@ヒアリング調査
不思議音の発生状況について次の要点をヒアリングします。
@. 騒音の大きさ、騒音の種類(聞こえ方)
A. 発生頻度と発生時刻、季節及び初めて騒音を確認した日時
B. 聞こえる範囲、方向
C. 発生時の周辺条件(人為的、自然現象)
A聴感による調査、B原因の検討
ヒアリング調査を基に対象音を実際に確認します。その聴感にゆる調査やヒアリング調査の結果を分析し、
また、建築図面や関係資料から騒音の発生源及び発生原因を仮定し、それを特定するための測定計画を
立てます。
C騒音振動の実測
ここでは、主に不明音の発生源(部位)の特定を目的とします。測定は、下の写真の騒音計や振動ピック
アップにより行います。 数か所に振動ピックアップを取り付け、不思議音が発生した時に最も早く振動を始めた
部位を絞り込んで行きます。
D音源の特定と対策、E対策効果確認
C騒音振動の実測により、不明音の発生源を特定したら、その原因について検討します。原因については
先の「表1.不思議音の例」に示すように様々なものがありますが、発生源が特定された場合には、ある程度
絞り込むことが可能となります。
また、それらの検討を基に対策を施し、その効果を確認致します。これらの作業を効果が認められるまで
繰り返します。
ページトップに戻る
| ホーム | 会社概要 | サービスのご案内 | 資料集 | 質問・相談コーナー | 求人案内 |
| 環境計量証明事業 | |音響ソフト | 音響関係のリンク集 | |