フローリングとカーペットの床衝撃音レベルの違い
■当社の測定事例について特集します。
リフォーム等で床をカーペット仕上げからフローリング仕上げに変更した場合、音響的に下階にはどのくらい影響があるものなのでしょうか?
最近は、家のリフォームが流行っているそうです。比較的低予算で、しかも間取りはある程度自由、個性的な演出も可能となればうなずけます。しかし、意外な落とし穴として「音」の問題があります。マンションのような集合住宅の場合、下階の影響を考えた上で設計した方がベターといえます。では当社の実測例を取り上げながら、その影響度合いを考えてみま
しょう。
■事例集vol.1
1 |
調査内容 |
カーペット仕上げ床 と フローリング仕上げ床の遮音性能比較 |
2 |
対象建物 |
神奈川県某所の集合住宅(マンション)、LD |
3 |
測定項目 |
床衝撃音レベル |
室間音圧レベル差 |
4 |
測定日 |
2000年7月 |
5 |
調査結果 |
床衝撃音レベル |
室間音圧レベル差 |
備考:報告書提出期間 測定日から約1ヶ月
■調査結果 床衝撃音レベル
軽量床衝撃音レベル |
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評価 |
測定対象室 |
L値 |
建築学会 適用等級 |
●−●:カーペット仕上げ床 |
L-30 |
特級を超える |
●−●:フローリング仕上げ床 |
L-40 |
特級 |
軽量床衝撃音は、床の表面仕上げ材の影響を大きく受ける傾向にあります。すなわち、柔らかい材質のものは性能が良くなり(音が透過しにくい)、堅い材質のものは性能が悪く(音が透過しやすい)なります。従って安易にカーペット床からフローリング床に変更すると、性能が極端に悪くなり下階から騒音苦情等の問題が生じる可能性があります。こうした問題を避ける為に、防音処理を施したフローリング床(緩衝材を挟んである)の採用等を検討したほうがベターと言えます。
今回のケースでは、フローリング床は2ランク低い(悪い)結果となりましたが、L−40(特級)の性能を確保しているのでその後、苦情等の報告は受けていません。
重量床衝撃音レベル |
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評価 |
測定対象室 |
L値 |
建築学会 適用等級 |
●−●:カーペット仕上げ床 |
L-50 |
1級 |
●−●:フローリング仕上げ床 |
L-50 |
1級 |
重量床衝撃音は、建物の構造体である床スラブの厚さ(重さ)と支持剛性の影響を大きく受ける傾向にあり、床の表面仕上げ材の影響はあまりうけません。一般的にスラブ厚が大きいほど性能が良くなり、小さいほど性能は悪くなります。従って今回、スラブ厚は同じであるため、ほぼ同水準の結果となりました。
室間音圧レベル差
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